ハードウェア
NVIDIA DGX Spark
128GBのユニファイドメモリを積んだ、1.1リットルのAI開発機です。 「大きなモデルが載るかどうか」で見ると強く、「速いかどうか」で見ると期待を外します。 この2つを分けて考えるための情報をまとめます。
最終更新: 2026年7月30日
先に結論
DGX Sparkは、24GBのGPUでは載らないサイズのモデルを、デスクの上で動かすための機械です。128GBという容量は、70Bクラスはもちろん120Bクラスまで手元に置けることを意味します。
一方でメモリ帯域は273GB/sで、RTX 4090の約4分の1、同じ128GBのMac Studio(M4 Max)と比べても半分程度です。生成速度はここで頭打ちになります。対話しながらサクサク使う機械ではなく、大きなモデルを走らせて結果を待つ機械、と考えると評価を間違えません。
スペック
| SoC | NVIDIA GB10 Grace Blackwell Superchip | CPUとGPUをNVLink-C2Cで直結 |
|---|---|---|
| GPU | Blackwell世代(第5世代Tensorコア) | スパースFP4で1 PFLOPS |
| CPU | 20コア Arm | Cortex-X925 ×10 + Cortex-A725 ×10 |
| メモリ | 128GB LPDDR5x ユニファイドメモリ | CPUとGPUが同じ領域を共有する |
| メモリ帯域 | 273GB/s | この機械の性格を決める数字 |
| ストレージ | 4TB NVMe M.2 | 自己暗号化対応 |
| ネットワーク | ConnectX-7(200Gb/s) | 2台を直結して大きなモデルを分散できる |
| 電源・消費電力 | 240W外部電源 | GB10のTDPは140W、実負荷はおおむね170W前後 |
| サイズ | 150 × 150 × 50.5 mm(約1.13L) | デスクに置けるサイズ |
| OS | DGX OS | CUDA / cuDNN / TensorRT などが最初から入る |
どのサイズのモデルが動くか
容量は「載るか載らないか」を決め、帯域は「どのくらいの速さで動くか」を決めます。 DGX Sparkは前者が得意で後者が苦手なので、両方を並べて見るのが実態に近くなります。
| モデル規模 | 目安サイズ | 判定 | 補足 |
|---|---|---|---|
| 7B〜14B クラス(Q4) | 約4〜9GB | 余裕 | 常駐させて日常的に使える。速度も実用域に収まる。 |
| 32B クラス(Q4) | 約20GB | 余裕 | 容量に余裕があるので、長いコンテキストを取っても詰まりにくい。 |
| 70B クラス(Q4) | 約40GB | 動く | 24GB VRAMのGPUでは載らないサイズが普通に載る。ただし帯域律速で理論上限が毎秒7トークン前後、実測はさらに下。 |
| 120B クラス(MXFP4など) | 約60〜70GB | 動く | 載ること自体が強み。対話用途としては待ち時間が長く、バッチ処理向き。 |
| 200B クラス(Q4) | 約100GB以上 | ぎりぎり | コンテキスト長を削れば載る領域。速度は割り切りが必要。2台リンクで狙う人もいる。 |
速度の目安は「メモリ帯域 ÷ モデルサイズ」で出る理論上限からの逆算で、実測値ではありません。 実際にはこれより落ちます。手元での実測は別途記事にします。
他の選択肢との比較
| 製品 | メモリ | 帯域 | 消費電力 | 価格の目安 | 性格 |
|---|---|---|---|---|---|
| DGX Spark | 128GB ユニファイド | 273GB/s | 約170W | 約100万円〜(国内実勢) | 容量で殴る。速度は控えめ。国内価格が重い。 |
| GeForce RTX 4090 | 24GB GDDR6X | 1008GB/s | 約450W(GPU単体) | 約30万円前後 | 載るサイズなら圧倒的に速い。 |
| Mac Studio(M4 Max・128GB) | 128GB ユニファイド | 546GB/s | 約100W台 | 約60万円〜 | 同じ容量で帯域が倍。普段使いも兼ねられる。 |
| Ryzen AI Max+ 395(128GB) | 128GB ユニファイド | 約256GB/s | 約120W | 約25万〜35万円 | 近い性格でより安い。CUDAは使えない。 |
いずれもカタログ値です。価格は変動が大きいため、購入時は必ず実勢価格を確認してください。
向く人・向かない人
向く人
- 大きいモデルを手元で「とにかく動かしてみたい」人
- CUDAとNVIDIAのソフトウェア資産をそのまま使いたい人
- 夜間バッチや常時稼働のワークフローを組みたい人
- 設置スペースと消費電力を抑えたい人
向かない人
- 対話の応答速度を最優先したい人
- 画像・動画生成の枚数をこなしたい人(帯域と演算で不利)
- 普段使いのPCを兼ねたい人(DGX OSの専用機に近い)
- 30B級までで足りる人(RTX 4090などの方が快適で安い)
- 価格対効果を重視する人。国内実勢ではMac Studioの128GB構成の方が安く、帯域も倍ある
価格と購入導線
海外の定価は3,999ドル(Founders Edition)〜4,699ドルです。 発表時には国内45万〜60万円という観測もありましたが、実際の国内流通価格はこれを大きく上回っています。2026年7月時点の楽天市場では扱いが3店舗のみで、いずれも100万円超でした。 多くが代理店経由の取り寄せ扱いで、在庫と為替の影響を強く受けます。 海外定価をそのまま前提に予算を組むと外します。
楽天の価格推移
価格データを読み込んでいます…
上記は各モールの検索結果へのリンクです。
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